世界中のジュニアテニス選手が『冬のフロリダに集結する』——その象徴的な大会のひとつ、IMG Academy International Tennis Championship(旧Eddie Herr International Junior Championship)の2026年大会エントリーが、いよいよオープンとなりました。90か国から2,000名超のジュニアが集まる名門大会で、Maria Sharapova、Andy Roddick、Coco Gauff、錦織圭ら現代のスーパースターたちがジュニア時代に戦った舞台です。本記事では、エントリー締切、参加資格、アクセプタンスの仕組み、試合形式、そして日本人ジュニアが押さえるべきポイントまでを、公式情報にもとづき徹底解説します。
大会の位置づけ ── 『Eddie Herr』から『IMG Academy International』へ
2024年から名称が『Eddie Herr International Junior Championship』から『IMG Academy International Tennis Championship』に変更されました。運営はIMG Academy(フロリダ州ブラデントン)が引き続き担当。フロリダの冬のジュニア国際大会シリーズ(IMG Academy International → Orange Bowl International → Junior Orange Bowl International)の最初の1つとして、世界中のジュニアが照準を合わせる大会です。
大会は毎年11月下旬〜12月初旬にIMG Academyのブラデントン・キャンパスで開催され、Boys/Girls 12U・14U・16Uの3区分に加え、18U ITFジュニア(別カテゴリー)が用意されます。選考制で、応募=出場確定ではありません。
2026年大会 ── 参加資格(年齢区分)
参加資格は『2026年12月31日時点の年齢』を基準に決まります。生年で対象が明確に定義されているのがポイント。
| 年齢区分 | 対象生年 | 基準(2026年12月31日時点の年齢) |
| Boys/Girls 16 & Under(BG16U) | 2010年 または 2011年生まれ | 16歳以下 |
| Boys/Girls 14 & Under(BG14U) | 2012年 または 2013年生まれ | 14歳以下 |
| Boys/Girls 12 & Under(BG12U) | 2014年 または 2015年生まれ | 12歳以下(10歳の選手はPlay Tracker条件で受理される場合あり) |
| 18 & Under(ITF) | 別途 ITF ジュニア規定に準拠 | 18歳以下(マンダトリー・サイン・インは 11/27) |
なお、BG12U区分に関しては、10歳の選手でもNet Generation PlayTrackerのポイント条件を満たしていれば受理される場合があります。 Net Generation PlayTrackerはアメリカテニス協会USTAが定める、オレンジ・グリーンボールのレベルクリア条件を終了した選手のみとなります。この条件は、オレンジ・グリーンの大会に出場して参加ポイント、勝利ポイントを得ることによりクリアーすることができます。この為、アメリカのジュニアトーナメントを未経験のジュニアが飛び込みで入ることは難しいと考えられ、日本から出場する選手の場合11歳、12歳が対象と考えていいと思います。
エントリーとアクセプタンスの仕組み ── 応募=出場確定ではない
本大会は招待・選考制のため、エントリー登録をしただけでは出場は確定しません。エントリー締切後、大会委員会が『アクセプタンス・リスト』を作成・公表します。
枠数(BG12U/14U/16U 各区分)
- シングルス予選ドロー:128名
- シングルス本戦ドロー:64名
- ダブルス:32チーム(優先順位:本戦×本戦>本戦×予選>予選×予選)
アクセプタンス公表のタイミング
10月13日のエントリー締切後、大会委員会が数週間かけて選考。10月末頃までにUSTAトーナメントページ上でアクセプタンス・リストが公表されるのが例年の流れです。世界各国のジュニアがエントリーするため、応募時のUTR/WTN/ITFジュニアランキング/各国連盟推薦などが選考の材料になります。日本人ジュニアの場合は、UTR/WTN/ITFジュニアランキングの数字が『客観的な選考材料』として最も効きます。
【参考】2025年大会のアクセプタンス基準
2026年大会の正式なアクセプタンス基準は現時点で公表されていませんが、参考までに、2025年大会で運用されていた選考基準を年齢区分別に紹介します。この基準は昨年の大会で実際に運用されていたもので、大会委員会は毎年見直しを行うため、2026年も同じとは限りませんが、傾向をつかむ材料としては十分に有用です。
BG16U(2025年基準)── ITFジュニアランキング上位+WTNの合わせ技
16歳以下では、ITFジュニア・ランキングを優先しつつ、ITFランキングを持たない/低い選手に対してはWTN(World Tennis Number)で補完的に選考する『合わせ技』方式でした。
| 優先順 | 2025年 BG16U 選考基準 |
| 1 | ITFジュニア・ランキング上位750名 |
| 2 | 次に、WTN(World Tennis Number)が高い順に75名 |
| 3 | ITFジュニア・ランキング 751〜1250位の選手 |
| 4 | 残りは WTN の順で選考 |
要点:ITFジュニアランキングを持っていることが最大の武器。上位750名に入れば無条件で受理、次はWTN上位75名、それでも足りなければITFランキング751〜1250位、最後はWTN順、という流れです。日本人ジュニアがBG16Uを狙う場合、ITFジュニアランキング750位以内、少なくとも1250位以内が事実上の必須ライン、それ以下ならWTNで戦うことになります。
BG14U(2025年基準)── ITFランキングを段階的に、WTNで挟み込み
14歳以下では、ITFジュニアランキングを段階的に取り込みつつ、間にWTN選考を挟む7段階の選考基準が使われていました。
| 優先順 | 2025年 BG14U 選考基準 |
| 1 | ITFジュニア・ランキング上位1,000名 |
| 2 | 次に、WTNが高い順に50名 |
| 3 | ITFジュニア・ランキング 1,001〜2,000位の選手 |
| 4 | 次に、WTNが高い順に50名 |
| 5 | ITFジュニア・ランキング 2,001〜3,000位の選手 |
| 6 | 残りはWTNの順で選考 |
| 7 | WTNを持たない残りの選手は、大会委員会が個別に判断 |
要点:BG14UはITFジュニアランキング上位1,000名がまず優先。次にWTN上位50名、そこから500刻みでITFランキング枠が続きます。ITFジュニア出場歴のない日本人ジュニアでも、WTNが高ければ複数のステップで拾い上げられるチャンスがある構造です。
BG12U(2025年基準)── WTNが唯一の物差し
12歳以下では、ITFジュニアランキング自体が存在しない(対象年齢外)ため、WTNが唯一の選考基準でした。
| 優先順 | 2025年 BG12U 選考基準 |
| 1 | WTN(World Tennis Number)の順で選考 |
| 2 | WTNを持たない残りの選手は、大会委員会が個別に判断 |
要点:BG12Uでは『WTNをどれだけ積み上げたか』がそのままアクセプタンスに直結します。WTNを持たない選手は大会委員会が個別に判断する枠に回るため、事前に日本国内でWTN対象大会(JTAの公認大会や国際大会等)に出場してWTNを取得しておくことが重要です。
例年の傾向で考えるとU12の場合、エントリーすれば予選は参加できる可能性は高いと考えられます。
2026年大会でどう変わる可能性があるか
- フレームワーク(ITFジュニア+WTNの併用)は継続される可能性が高い
- ITF側のジュニアランキング仕様変更(2026年から一部ルール改正)に伴い、閾値の数字(750/1000/2000/3000など)は微調整される可能性あり
- WTN側の閾値(16Uの75名/14Uの50名)も、応募数の変動により微調整される可能性あり
- 2026年大会の正式基準は、10月13日エントリー締切後〜10月末のアクセプタンスリスト公表と同時に明かされるのが例年の流れ
重要日程 ── 10月13日締切、11月11日辞退返金締切、11月24日予選サインイン
| 日付 | 項目 | 内容・時刻 |
| 10月13日(月)11:59am | エントリー締切 | 登録・申込のクロージング(すべての年齢区分共通) |
| 10月末頃 | アクセプタンスリスト公表 | USTAトーナメントページに掲載 |
| 11月11日(水) | 出場辞退による返金締切 | この日までのwithdrawで参加費が返金 |
| 11月24日(火) | 予選サイン・イン(BG 12U/14U/16U) | BG12U 10:00-12:00/BG14U 12:00-14:00/BG16U 14:00-16:00 |
| 11月25日(水) | 予選開幕 | BG12U/14U/16U シングルス予選ラウンド開始 |
| 11月27日(金) | 18U ITF 予選マンダトリー・サイン・イン | 18歳以下 ITF部門は別途手続き |
| 11月29日(日) | 本戦『Gift Pick-Up』(BG 12U/14U/16U) | 本戦選手はサイン・イン不要/10:00-12:00(BG12U)/12:00-14:00(BG14U)/14:00-16:00(BG16U)/ダブルスは同日オンサイト・サイン・イン |
| 11月30日(月) | 本戦開幕 | シングルス本戦ラウンド開始 |
サイン・インは対面(in-person)が必須。指定時間内に会場に姿を現さないと予選出場権が失効し、オンサイトのオルタネイトに枠が回されます。当日は『USTAナンバー』と『写真付き身分証(Photo ID)』の両方を持参してください。本戦選手はサイン・イン不要ですが、11月29日の『Gift Pick-Up』時間内に会場に立ち寄り、大会公式グッズを受け取ります。
試合形式 ── ハードコート、ダンロップ・レギュラー・デューティー
| 部門 | 試合形式(すべてハードコート、Dunlop ATP Regular Duty使用) |
| すべての予選(All Qualifying) | 2セット先取+1-1で10ポイントマッチタイブレーク(第3セットは10ポイントタイブレーク) |
| 本戦 BG12U(Main Draw) | 2セット先取+1-1で10ポイントマッチタイブレーク(第3セットは10ポイントタイブレーク) |
| 本戦 BG14U/16U(Main Draw) | 3セットフル(第3セットも通常のセット) |
| ダブルス全般(予選なし) | 2セット先取+1-1で10ポイントマッチタイブレーク/No-Ad方式(デュースなし) |
重要なのは、BG14U/BG16Uの本戦のみが『3セット・フル』方式であること。ジュニア国内大会で慣れている『2セット+10ポイント・マッチタイブレーク』とは異なるため、事前の練習・体力配分が必要です。BG12Uとすべての予選、およびダブルスは、標準的な『2セット+マッチタイブレーク』形式となります。
その他の注意点
- シングルスは予選・本戦ともに『シングル・エリミネーション(一発勝負)』で、コンソレーション(バックドロー)はありません
- 予選ラウンドではUSTAポイントは付与されません(本戦のみUSTAポイント対象)
- ダブルスは予選なしで、直接32チームの本戦ドローに配置されます
- 表面:ハードコート/使用球:Dunlop ATP Regular Duty
会場マップ ── フロリダの主要ジュニア大会と最寄り空港
IMG Academy International Tennis Championship(ブラデントン)と、続くフロリダ冬季サーキットの主要大会(Little Mo International Florida・Orange Bowl International・Junior Orange Bowl International)、そして各会場への渡航に使う主要空港(TPA・MCO・PBI・FLL・MIA)の位置関係を、1枚のマップで整理しました。

フロリダ州は南北に長い半島で、西海岸(Gulf of Mexico側)にIMG Academyのあるブラデントン、東海岸(大西洋側)に Palm Beach Gardens → Boca Raton → Fort Lauderdale → Miami という順に主要ジュニア大会会場が並びます。中央のオーランド(MCO)は主要国際大会の会場ではありませんが、日本からの直行便アクセスが良く、ハブ空港として利用する家族も多いです。
各会場の位置と最寄り空港
| 大会名 | 会場 | 最寄り空港(推奨) |
| IMG Academy International | IMG Academy(Bradenton・ブラデントン、フロリダ西海岸) | SRQ(サラソタ・ブラデントン、車20分)/TPA(タンパ、車1時間) |
| Little Mo International Florida | PGA National Resort(Palm Beach Gardens・パームビーチ北) | PBI パームビーチ空港(車20分)/FLL(車1時間) |
| Battle of Boca(UTR大会) | Rick Macci Academy(Boca Raton・ボカラトン) | PBI(車30分)/FLL(車30分) |
| Orange Bowl International | Jimmy Evert Tennis Center(Fort Lauderdale・フォートローダーデール) | FLL フォートローダーデール空港(車15分)/MIA(車45分) |
| Junior Orange Bowl International | Coral Gables(コーラルゲイブルズ、マイアミ市中心の西) | MIA マイアミ空港(車15分)/FLL(車40分) |
フロリダ冬季サーキットを『通し』で回る場合の実用アドバイス
- 往路の到着空港:IMG Academyから入るならSRQ(サラソタ・ブラデントン)が最寄りだが直行便は少ない。TPAまたはMCOで降りて陸路で移動するのが現実的
- 復路の出発空港:Junior Orange Bowl(マイアミ)で締める場合はMIAから帰国。Orange Bowl(フォートローダーデール)で終わるならFLLが便利
- 東海岸南部(Palm Beach Gardens〜Miami)はI-95で縦につながっており、Palm Beach → Boca Raton → Fort Lauderdale → Coral Gables は車で移動可能(Palm Beach〜Miamiは約1時間半)
- 西海岸(ブラデントン)から東海岸(マイアミ地区)への移動はI-75または『アリゲーター・アレー』経由で車で3〜4時間。IMG Academy出場後、東海岸の大会に間に合わせるスケジュールは早めに設計する
- 宿泊:各会場周辺のホテル or Airbnb は12月上旬から満室になりやすい。9〜10月には予約を済ませておくのが安全
日本人ジュニアが押さえるべきポイント
- エントリー段階でUTR/WTN/ITFジュニアランキングを明確に整えておく。10月13日締切時点のレベルが選考材料になる
- BG12Uは事実上WTN一択の選考。WTN対象大会(JTA公認大会等)に事前にしっかり出場しておく
- BG14U/BG16UはITFジュニアランキングが最大の武器。ITF大会経験がある選手は絶対的に有利
- 2026年12月31日時点の年齢で対象区分を確認する。飛び級希望のBG12U(10歳)はPlayTracker条件も併せて確認
- BG14U/BG16U本戦は3セット・フルマッチ。日本のジュニア大会と形式が異なるため、事前に3セット形式に体を慣らしておく
- 11月24日(予選)または11月29日(本戦Gift Pick-Up)に対面参加が必須。渡航スケジュールを組む際、この日程は絶対に押さえる
- USTAナンバーが必要。日本人選手も事前にUSTAアカウントを作成しておく(無料登録可)
- フロリダ冬の3大会シリーズ(IMG Academy International → Orange Bowl → Junior Orange Bowl)を連戦で回ると、1か月間で世界レベルの経験を最大化できる
- シングル・エリミネーション形式でコンソレーションがないため、初戦の重要性が高い。ドロー発表後の対戦相手リサーチが勝敗を分ける
- 11月11日までは辞退による参加費返金が受けられる。渡航状況によっては、この日程を戦略的に使う判断も必要
過去の名選手たちが通った舞台
IMG Academy International(旧Eddie Herr)は、現代テニス界の伝説的選手たちが少年・少女時代に戦った歴史的な大会です。過去のチャンピオンや上位入賞者には、Maria Sharapova、Andy Roddick、Jelena Jankovic、錦織圭、Coco Gauff、Iga Swiatek、Carlos Alcarazなど、現代の主役たちが名を連ねます。ここで結果を残した選手が、後にグランドスラム王者へと成長していく——そんな軌跡が数え切れないほど生まれてきた舞台です。
『冬のフロリダ・ジュニア三大会』の第一関門として、世界中の10〜16歳のジュニアが、この大会に挑戦する意義は非常に大きいと言えます。
まとめ ── まずは10月13日のエントリー締切に間に合わせて
IMG Academy International Tennis Championship 2026は、世界の10〜16歳(+18U ITF)のジュニアが集結する冬のフロリダサーキットの開幕戦です。エントリー締切は10月13日(月)11:59am、アクセプタンス公表は10月末頃、大会本番は11月下旬〜12月初旬。この夏から秋にかけてUTR/WTN/ITFジュニアランキングを整え、10月13日までに正式エントリーを済ませることが、この舞台に立つための第一歩です。
2025年の選考基準を参考にすると、BG12UはWTN、BG14U/BG16UはITFジュニアランキング+WTNの合わせ技が肝でした。日本人ジュニアがアクセプタンスを勝ち取るには、自分の年齢区分に合ったランキング整備を今から進めることが重要です。海外ジュニアテニス情報ナビでは、アクセプタンス・リスト公表後の日本人選手の動向、続くOrange Bowl・Junior Orange Bowlの情報も含めて、フロリダ冬季サーキット全体の最新情報をお届けしていきます。
(本記事の情報は2026年7月時点で得られた公式・公表情報にもとづきます。2026年のアクセプタンス基準は10月末頃の公表待ちで、本記事の【参考】章は2025年大会で実際に運用された基準を情報源とした参考情報です。日程・時刻・条件は変更される可能性があります。最新情報はIMG Academy公式 [imgacademy.com] およびUSTAトーナメントページで必ずご確認ください。)



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